32年ぶりに書店が1万店舗を下回った現実
先日、Yahoo!ニュースで気になる記事を見かけました。大手書店15社が共同で「宣言」を出したというニュースです。
2025年3月末時点で、全国の書店数がついに9,993店舗となり、1994年の調査開始以来、初めて1万店舗を下回りました。32年ぶりのことです。
この宣言の内容としては、出版社への返品率を20%に削減すること、書籍販売の荒利率を30%にすること、などが挙げられています。業界全体で取引のあり方を見直そう、という動きです。
でも正直に言うと、「何を今更…」というのが僕の率直な感想でした。
原因は明らかです。AmazonをはじめとするECサイトの台頭、そして電子書籍の普及です。楽天ブックスやKindleなど、スマホ1台で何千冊もの本が読める時代に、わざわざ書店まで足を運ぶ人が減るのは当然の流れとも言えます。
問題は「対策が遅すぎた」ことです。Amazonが日本に本格参入してきた時点で、15社が集まって共同のECプラットフォームを作るなどの対策が打てていれば、話は違っていたかもしれない。でも当時は「まだ大丈夫」と思っていたのでしょう。これはまさに「茹でガエル現象」です。
本屋だからこそ得られる「予期せぬ出会い」の価値
僕は本屋がなくなってほしくない派です。これは単なる懐古趣味ではなく、ちゃんと理由があります。
Amazonで本を買う場合、必ずキーワード検索から始まりますよね。つまり、「自分がすでに興味を持っているもの」しか出てこない。アルゴリズムが最適化されているから、どんどん世界が狭くなっていくんです。
でも書店に行くと違います。ビジネス書を探しに行ったのに、ふと目に入ったプロレスの雑誌が気になったり、表紙のキャッチコピーに引っかかって全然知らない著者の本を手に取ったりする。そういう「予期せぬ出会い」が生まれるんです。
これはキャッチコピーの勉強にもなりますし、今どんな本が売れているかというトレンド把握にもなります。僕は日本に帰国した時、必ず大きな書店に立ち寄ることにしています。
嫁も子供の頃、図書館に自転車で通っていたと言っていました。何を借りるか決めないまま行って、背表紙を見ながらワクワクして本を選ぶ。あの感覚は、ネット検索では絶対に再現できないものです。
読書ができる人をビジネスのターゲットにする
話をビジネスに引き戻すと、一人起業家の皆さんに強くお伝えしたいことがあります。
読書をする人としない人では、思考レベルが全然違います。
語彙力、文脈の理解力、物事を深く考える力。本を継続的に読んでいる人は、これらが明らかに高い。そして実際に、読書量と年収には相関があるというデータもあります。
だから、顧客ターゲットを考える時も「本が読める層」を意識することが大事です。メルマガを登録してちゃんと文章を読んでくれる人、そういう層は比較的収入も高く、真剣にビジネスや人生に向き合っています。
一方、ショート動画だけで情報を得ている層は、長文を読む習慣がなかったり、深く考える機会が少なかったりする傾向があります。そういった方向けの集客に注力してしまうと、ミスマッチが起きやすい。
ちなみに研究によると、1日20分の読書で、読書をしていない人と比べて幸福度が約20%高まるという結果もあるそうです。忙しくても月に1〜2冊、紙の本で読む習慣をつけることをおすすめします。電子書籍も便利ですが、記憶への定着という観点では紙に軍配が上がると言われています。
まとめ
書店数が1万店舗を下回った背景には、「変化への対応の遅れ」という普遍的なビジネスの教訓が詰まっています。自分のビジネスでも「まだ大丈夫」という油断が、後々の致命傷になりかねません。
また、読書は思考力・語彙力・幸福度を高める最もコスパの良い習慣です。自分が読書を続けることはもちろん、「本をちゃんと読める層」をビジネスのターゲットにすることも、長期的な成果につながります。
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